牧野富太郎記念館

駐車場のしつらえにもとても味わい深いものがあります。
雨水を植物へ
排水溝もうまく隠しています。

牧野富太郎記念館

建物計画としては円形の中庭を囲んでぐるっと円形になっています。中庭の円形に沿うように軒の深いテラスがぐるっとあり、日差しを避けて落ち着いた時を過ごすことができます。平面的にはだ円形で、幾何学的なルールがわかりやすいですが、高さ方向に蛇行した屋根形状になっており、なかなか複雑な形状になっています。複雑な屋根形状と大空間を作るための柱、梁を鉄骨で作っていますが集成材の垂木をかけたり、いたるところに木が使われていて、木造のような温かみのある内部空間になっていました。地元産の杉が多く使用されているようでこういった取り組みは地域の人々にとっても素晴らしいと思います。
雨水を集水して植物に水をやっているのはデザイン的にも面白いと思いますし、他にも雨水を集水して散水するシステムがあったり、空調負荷の軽減など設備的にも全体的に配慮された計画となっているようです。モダンなところと自然に寄り添おうとするところがいい具合に融合している現代らしい建築だと思います。