トップライト

現在進行中のトップライト付きの2つの住宅。

1件は南に面して、

かたやもう1件は北面に

配置しています。

南面設置

 

北面設置

例えばローマのパンテオンなどが有名ですが、

上から差し込む光というのはどこかありがた~い感じ(天井が高いことも重要かと)があり、

どちらも明るいですが

南面に設ければ強く明るく、

北面に設ければ柔らかく部屋全体にぼんやり満ちるような

異なった性質の照度を得られることも面白いです。

パンテオン内部
パンテオン内部

 

コルビジェのサヴォワ邸もトップライトがいっぱい

 

強い光

 

柔らかい光

そもそも日本の建築基準法でいうと採光係数というのがあり、

例えば壁についているいわゆる普通の窓が1に対して、トップライトは3にできます。

1というのは窓面積の分が採光上有効で、0.5なら半分だけが採光上有効と認められるということ。

つまりトップライトの3は窓面積の3倍が採光として有効と計算できるということで、要するにすごく明るいと建築基準法上も認められている、ということになります。車でもルーフ窓付きはとても明るいですよね。

南面設置のいい点は明るさを強く得られること。つけたぞという満足感は高いと思います。

しかし冬は温かい反面、夏や特に西日の当たる時間にはとても暑くなります。

リモコン操作のブラインド付きのものも対策商品としてはありますが、あくまでも補助的なものであり、いいことばかりではありません。

北面設置とした場合、南向きほどの強い照度はなく、柔らかく明るい、空間の上下の広がりを感じることができます。

ただし、冬にあたたかさを得られるようなことはありません。夏に暑くもなりませんが。。

今の所、全体としてみれば一長一短といえるところですが、

温暖化が進行していく今後はどちらが得するということになるのでしょうか。

寒さに弱い、暑さに弱いなど個人の趣向の違いも見過ごせないところで、

個人的には夏の暑さが苦手なこと、実家の西日が当たる部屋のネガティブな記憶、

また照度として柔らかく全体が明るいほうが落ち着いた雰囲気になりやすく、北面設置が好みですが、

それぞれの近しい体験などをもとによく対比検討しながら決定していければよいと思います。