雨樋をつけない

デザイン重視ですっきりと見せたいがために都市部の住宅でも雨樋をつけないデザインを見かけることがあります(施主様の要望かもしれませんが)。たしかに樋がつかないことでデザインがミニマルに、モダンに、印象が軽やかにすっきりと感じますし、設計する側も極力目立たない場所につけようとするものが多いです。ですが樋は建物の寿命を長持ちさせるためにとても重要なもの。例えば屋根の面積は3m×10m程の建物で、最低でも30㎡。30㎡の水たまりにたまった雨水のすべてが外壁を伝うようなことは建物の衛生上も耐久性上もいいはずがありません。樋をつけないデザインの好例は軒先から落ちたしずくが地面の砂利から地中に浸透するように、建物の外壁を伝わらないように雨水の逃げ道がきちんと用意してあること。塗料や外装材の性能が進化しているとはいえ長期的な性能が実証されていないことも多く、目に見える機構で解決されているものには安心感があります。