角度が変わっても美しいシーンがつながる

猪名川霊園

チッパーフィールド設計の霊園。予約を入れると、ガイドの方が建設に至ったいきさつなどからはじまりとても丁寧に案内してくださいました。風景と一体となるために染色したコンクリートをサンダーで磨き上げる仕上げが使われています。写真で見ていたように淡いピンク色で、形は強くて重厚ですがぼんやりと柔らかい印象を与えてくれます。全体としては平屋のため、そう大きな建物ではありませんがゆったりとスペースをとり、ディテールは極力消され、壁面や床面の余白が大きくとられていて、空や光や緑などみせたいものを際立たせている。そんな余白を生かしたシンプルで緊張感のある空間でした。建築家自らが何度も足を運んで自ら作図までされたそうで、コンパクトながら熱のこもった力作ということが肌で感じられます。