木造住宅の断熱材

住宅で断熱材の選択についてよくご質問をいただくので主に使われるものをまとめてみました。

①グラスウール
最も一般的にとられる方法です。パック詰めされた断熱材を隙間なく躯体に押し込んでいきます。
隙間ができないように注意しますが、どうしても際の方は断熱性能が弱くなる傾向はあります。
躯体の厚みは105mmか120mmなので厚みは100mmが一般的ですが、性能が16K、24K、32Kと数字があがるほどいいものになります。
何も言わないと16Kが一般的なのでより寒がりな方、気にされる方は建設会社に問い合わせしましょう。
湿気に弱く、水にぬれると断熱性能が低下したり、カビの発生の原因となるので要注意です。

グラスウール施工写真

②発泡ウレタン
こちらもよく採用される方法で、現場で吹き付けるので柱の際の方にも均一に充填することができるため、見た感じにもよく充填されている様子がわかり安心します。
グラスウールの性能を上げるよりも安価に断熱性能を向上できることが多いため、寒がりなので断熱性能をあげたいという方によくお勧めしている工法です。

ウレタン施工写真

③セルロースファイバー
外国の新聞紙をくず状に粉砕、綿状化して吹き付けるものです。
もともとが紙なので自然素材で、調湿効果があり、室内から発生する湿気を吸収したり放出したりして快適な環境づくりに貢献してくれます。
接着剤やホウ酸がふくまれますが、壁内に密閉されるので気になるような害はないと思います。
①や②よりはややコスト高となりますが、全体予算に余裕のある場合にはおすすめすることが多いです。

セルロースファイバー施工写真
自重で沈下して断熱材が切れているところがないか確認します

④(外断熱)
木造住宅で採用する事例もありますが、躯体の厚み分が空間になり、ちょっともったいないと思うので木造の場合はあまりお勧めはしていません。ただしコンクリート造であれば躯体が蓄熱体の役割を担うので、コンクリートに室内内部の気温が蓄熱されて効果的といえます。

外壁を好みのものにしたいとか、フローリングを無垢板にしたいとか、他にもいろいろ選ぶものの中のひとつで、もちろん住宅の中で大切な機能のひとつですが断熱材ファーストで選択することは少ないかなと思います。全体の予算の兼ね合いで選択していく中で、いずれにしてもご自分の決断が正しいと思いますし、納得するためのお手伝いをできればと思っています。