木造住宅にも外断熱

現在東京都内の木造戸建て住宅で外断熱の物件をすすめています。
環境への関心が高いといわれるヨーロッパの諸外国では壁厚が厚いのが一般的です。例えばドイツでは300mm以上あり、外断熱が一般的でもちろん断熱材も厚く、蓄熱体となる壁も厚いわけですが、地域によっては夏も冬も冷房も暖房も不要なんて話も聞いたことがあります。
これを東京の住宅事情にあてはめてみると、木造で壁厚165~180mm程度が一般的ですから建物幅が両側10センチずつ狭くなるようなもので、とれる部屋が狭くなる。。なんていうこともあり、なかなかそこまで高い断熱性能を求めることは現実的に難しいところがあります。
熱負荷の大きい窓においては、国内のサッシメーカーも頑張っていて、アルミサッシより断熱性能の高い樹脂サッシなども防火認定がとられてきたり、トリプルガラスの商品などもでてきましたし、市場のニーズというか動向を感じますのと、直接感じるところでは、建築主さんからこうした断熱性能の高い商品のご相談や、時にご指定をうけることも増えてきました。
今回採用の外断熱も準防火地域の木造でも採用できるよう防火認定がとられたもの。
建築主様からこれを採用できないかどうかとご相談をうけたものです。

この白い断熱材の上にファイバーメッシュを張り、左官仕上をする

グラスウールによる壁内充填断熱も併用

外断熱材にも多くの選択肢がありますが今回採用のオメガジャパンのものは断熱材の裏側には湿気がたまらないように排湿するための溝がほられていて、高気密住宅の弱点である結露対策にもよく配慮されています。
仕上げは職人さんの手で左官で仕上げるので、その風合いもまた楽しみです。

透湿防水シートの上に排湿溝付きの外断熱材を施工

建設中のためまだ暖房は入れていませんが、建物内にいるとすでに一般的な住宅より暖かく感じます。
グラスウールやウレタン等の充填断熱だけでも現在の省エネ基準を満たすことは可能ですが、これからは充填断熱にプラスして外断熱。これは外側に30mm強、壁厚が厚くなるだけで建物計画に大きく影響が出ないケースが多く、体感としても効果を十分に感じることができるものなので注文住宅で費用的に余裕があれば今後もおすすめしていきたいと思います。