フローリングは断面を見る!

無垢フローリングにはやはり憧れがあります。無垢の木は見た目にも知人にお話しする際の聞こえ方にも高級感がありますし、長らく、ややもすると一生その上で生活することにもなりえるものですから、本物にこだわって選びたいものですよね。
無垢は確かに素晴らしいものですがそれなりにコストがかかります。そこで世の中には大きく2種類の代替品が流通しています。プロでも一見すると本物の木と見紛うばかりに建材は進化しておりますが、見分け方とそれぞれのメリット、デメリットをご紹介します。

無垢フローリングの断面。しっかり詰まってます。
隙間がまちまちなのがわかりますか?

①無垢フローリング・・・自然の木材
②突板フローリング ・・・ 合板などの基材に薄い(1.5mm~5mm程度で様々)無垢材を貼り合わせたもの
③シート貼り ・・・ 合板などの基材に石油合成のシートを貼ったもの 

弊社事務所は①のフローリングを貼っていて、断熱性が高く、やはり冬でもシート貼のものよりは暖かい感じがします。
デメリットとしては隙間があくことがあります。弊社でもやはり最大で3mmくらいの隙間はあいていて、細かなごみなどは入り込みます。生きた木材を使用しているわけですから、一枚一枚に差があるのは自然なことと思っていれば気にならないですし、生活に支障がないレベルと思います。

②突板フローリングの断面
本物の木がスライスされています。

②突板フローリングは見た目は無垢のように見えますが、断面をみると、合板の上に薄くスライスされた無垢材が貼ってあることがわかります。
見た目、触れた感触は木そのものです。しかし、無垢ではないので、表面の材はワインの瓶など重いものを落としたりすると傷がつきやすく、あまり表面材(突板)の薄いものを選ぶとよく歩くところが削れて下地が見えてきたりする場合もあります。突板の厚みも値段により様々あって、材の厚いものほどコスト高になります。予算が許すのであれば2mm以上のものをおすすめしたいものです。

③シート貼フローリングの断面
表面のシールのような部分が塩ビシート

③のシート貼フローリング最大のメリットは安価であるというコストメリットで選ばれることが最も多いと思います。あとは傷がつきにくい、膨張伸縮しない、といったメリットもあり、特に賃貸物件ではクレームが少ないために圧倒的に選ばれています。見た目の性能が向上していることは前回の通りですが、賃貸物件のイメージを想起される方も多く、アパートみたい、マンションみたいという感じは特にベーシックな色味のものにはあります。一昔前には濃茶、薄茶の二択くらいでしたが、白と黒も出てくるようになってきて、最近では白とグレーの中間やブラウンとグレーの中間で何種類もあったりとか、あいまいな色も多く出てきておりますので選べば見た目のいいものもあります。本物の木のような凹凸感、まだらな色ムラなども実によく表現されています。

                    

素材感をバランスよく選ぶ

それぞれのメリットがあって世の中に流通しているわけですから、コストや目的に応じて柔軟に使い分けをしていくのが賢い使い方になると思います。すべて無垢が理想ですが、例えばLDKは無垢で個室やクローゼットはシートとか、1階と2階で貼り分け等々、選択肢は多くありますが、弊社ではよくご希望をお聞きした上でそれぞれの特性を生かした採用をすべきだと考えています。床だけでなく意匠的に 素材感をしっかり出したいところに、例えば天井や壁面にでも使ったりもできますので、楽しみつつコストを考慮しながら選びたいものですね。