読書の秋。ということで本の話を、、
司馬遼太郎さんの中の
例えば、
「竜馬が行く」と「燃えよ剣」、「功名が辻」と「梟の城」
倒幕と佐幕、武士と忍者というように
パラレルストーリーというか同時代を生きた正反対の生き方が、それぞれにおいて実に生き生きと描かれている作品があります。
「サピエンス全史」のように同時多発的な事象から本質を見抜いていこうとすることが一冊に入っているような本は基本的に好きですが、そこに人情ドラマはないので、なにか冷たい感じや読み疲れるようなところもありますね。
司馬さんの作品は一つ一つ主人公がいて深く掘り下げていくために、人情や喜怒哀楽が詰まっているので、飽きずに自分が追体験するかのように引き込まれる面白さがあります。いくつかの作品を読み終えるとそれぞれを対比的にとらえるような感覚が残り、都度自分に置き換えてみたりもしますが、こういうものも狙いのうちなのかななんて思います。時代背景は昔のことながらも、現代のダイバーシティとかいう多様性の時代を生きていくために、多様な人間模様をみていくことはバランス感覚が身についていいのでは。。とも思います。
人名・地名も膨大なのに、エピソードもよく調べられていて、さらには各地方の方言もきちんと網羅されている。
きちんとした下仕事の上に、語彙の豊富さ、簡潔で引き込まれるような構成とユーモアと人情話といった、感性やそれを表現する技術がある感じは、ものづくりを仕事とする自分にとって大いに見習いたいところです。